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2007-04-22(Sun)

レンブラント作 - 放蕩息子の帰還

rembrandt_son01.jpg新日曜るかっち美術館へようこそ。

今日のお題は、

レンブラント作
  - 放蕩息子の帰還


この絵の聖書の部分は、

ルカによる福音書 / 15章~にある

「イエスのたとえ話」です。


イエスは言われた。

「ある人に息子が二人いた。弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。

何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。

それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。

そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』

そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。

はいっ、その場面なのです。続きはこうです。

息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』しかし、父親は僕たちに言った。

『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。

ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。僕は言った。

『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。

しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』

すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」


お読みになって、どうお感じになられたでしょうか。

このお兄さんと同じように、納得のいかない気持ちになられた方も多いのではないでしょうか。
私も初めて読んだ時はそうでした。

とある神父さんが嘆いていました。

学生たちにこの部分の講義をすると、
なぜか皆、自分を「兄に重ねる」と。

そして、ひいきだ。ずるい!と、学生たちは怒るそうなのですが、自分と「弟」を重ねる人はあまりいないのですね。

しかし実は
このたとえ話でイエスは、人間一人一人を「弟」にたとえているのです。

つまり、「私たち人間」は「弟」なんですね。

そして、ここに出て来る「父」が「天父」のことなのです。

自分を「善人」側に置いてしまうのは人の常ですよね。

「自分は悪い奴だー」なんて常に思う必要もないのだから当然ですが、ここの場面は、皆さん「弟」に自分を当てはめて読んでみてください。どんなお気持ちになるでしょうか。

私の尊敬する西岡文彦氏の著作「名画でみる聖書の世界」にはこう書かれています。

 人間の愛ということでいえば、弟の所業は愛されるには値しない。が、イエスの説く神の愛は、その人間の愛に値しない弟にこそ注がれる

 なぜならば、弟は、兄にないものを持っているからだ。
 それは、悔い改めである。

 兄は、自分の行動に照らして父親の愛を計っている。そのせいで、父親の愛が見えなくなっているのである。愛は自分の功績によって得られるものだというおごりが、兄にはある

兄は、愛が本来、恵みとして与えられるものだという大切なことを忘れているのである。

 じつは、律法学者たちが犯しているのも、この兄と同じ過ちである。

 彼らは、ユダヤの民が神に選ばれたものと信じ、律法さえ守っていれば、神に愛される資格があると思い込むことで、この兄と同じおごりを身につけているのである。

イエスの説いた神の愛は、そうした人間のおごりを超える愛であった


神の愛は、人間の「価値観」や「常識」に拠るものではない。ということをイエスは言いたかったのだと思います。

人間ならば誰でも過ちは犯すのに、「自分は正しい」とふんぞり返る人間より「悔い改めて戻って来る人間」の方が、神からしたら愛しいのでしょう。

「自分は正しい」という「傲慢」や「驕り」だって、神から見れば同じ「過ち」なのですから。

fatherrshand.jpgこの絵の魅力は、なんといっても、放蕩から戻って来た息子を抱くお父さんの「手」だと思います。

本当に慈愛が滲み出ています。

この絵は、レンブラントが「遺書」がわりに描いた作品で、実際に遺作となりました。

この絵でライトアップされて描かれているのは、「父の顔」と「息子を抱く手」の部分です。このことからも、レンブラントの思いが伝わるような気がします。

「天父」から「人間」へ注がれるは、恵みであり、何かの報酬として獲得するものではない。皆、愛されているのだ、と。

晩年は苦難の連続だったレンブラントは、亡くなる前にそれが言いたかった。もしくは、そう信じたかったのかもしれません。

この絵の手が、「地球」を抱く天父の手に見えるのは、私だけでしょうか。


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>シスターるかっち

るかっち神父、じゃなかった、シスターるかっちの講話に深くうなずくブログ放蕩者(笑)の弟子でございます。

人がみんな無意識に「兄」に自己を重ね合わせるというのはとても興味深いです。人間はみんな自分を律法を唯々諾々と守る善人だと思いたいのですね。考えさせられました。

村野瀬玲奈さん

>シスターるかっち

び、びっくりしましたよ!
実は、明日の記事に関係の深い言葉なので。。
ミスって「公開」しちゃったのかと思って焦りました。

ある事情により、この手の講話ってほど立派じゃないんだけど、そういうのは結構書いたりしてたんですね。

その事情は。。明日。。

古い記事にすみません、

レンブラントに引っかかって、お邪魔したらキリスト経のお話だったんですね・・(^-^;)。
でも、何だか読んでしまいました。すると、何だか凄くコメントしたくなり・・、すみません。。。

私はキリスト教の信者でもないのですが、聖書は何度か読んだことがあります。この記事を読んでいて、私は朝から晩までブドウ畑の労働者探しをするお話を思い出しました。私にはあれと同じだなあと感じました。このお話もあのお話も人にとっては凄く大切な話だと感じています。みんながこれらのお話に納得できる世界だったら凄く楽しいような気がします。

bandoさん

古い記事でも何でも、コメント頂けるのはありがたいです。ありがとうございます。o(^-^)o

聖書は信者でなくても楽しめていいですよね。私は新約の四福音書と旧約の詩編や箴言集が好きです。
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